ながとのこえ #04

福ノ杜林業

福永 篤史さん

全国を飛び回っていたスタイリスト時代

長門市仙崎出身で、高校卒業後に東京へ上京しました。専門学校を卒業してからは、舞台衣装の会社に就職し、約10年間、商業演劇や歌舞伎の衣装の着付けを担当しながら全国を飛び回っていました。

東京での仕事は、芸能界の一部として非常に面白く、やりがいも大いに感じていました。しかし、生活は不規則で拘束時間も長く、家にほとんどいられなかったことから、子供を考える時期に「このままで良いのか」と考えるようになりました。

巨大な楠木が導いた新たな挑戦。
林業への道のり

地方巡業中のある時、大きな楠木と出会い、その存在に感銘を受けました。それは、遠くから見た時には森のように見えるほどの大きさでしたが、近づくと1本の木だったのです。その木を守り、育てる樹木医の存在を知り、「木の世界とは何だろう」という疑問が湧きました。

樹木医を目指すためには、約7年間の実務経験が必要とされ、まずは木について学び始めることにしました。様々な選択肢を検討し、アウトドアや林業の現場を見学しながら、2〜3年かけて地元長門で林業に挑戦するという決断に至りました。

地元での林業に可能性を感じ、実際に長門で林業に携わる企業を訪問し、「こういう風にやりたい」と伝えたところ、「君のような人材を待っていた」と言われ、就職が決まりました。こうしてUターンして、地元で林業を始めることになりました。

妻には時間をかけて話し合い、理解を得ることができました。
「反対できないよね」と、後から妻に言われましたが、僕が本気で林業に取り組みたいという気持ちを理解してくれていたからだと思います。お互いに不規則な生活が続き、プライベートの時間がないことも問題視していたため、最終的にはお互い納得できました。

林業に懸ける情熱——
持続可能な未来を守るための信念

主な作業は「更新伐」と「間伐」です。更新伐は一度木を生産・出荷し、再び植林する作業。間伐は木を間引き、次の生産のタイミングまで育てる作業です。伐倒が終わった後は、集材、造材、搬出といった工程を経て、丸太として市場や製材所に運ばれていきます。また、重機や車が入らない場所での枯れ枝の剪定や木の伐採も行っています。これらの作業は、僕にとって大切なライフワークの一つです。

僕が考える林業における大切なことは、「持続可能な資源管理」です。
環境を守ることは、常に意識して作業に取り組まなければなりません。雨や気候、山の状態、木や土のことをよく理解していないと、山を崩すような地域を危険に晒すことにもなりかねません。林業に携わる者が、自然環境に対する高度な知識と技術、深い理解と意識を持つことが、非常に重要だと思います。

長門の魅力

長門は、海や山、温泉があり、美味しい食べ物がある場所です。そういった自然環境が、自分にとって生活の基盤となっています。
また、長門の人々は非常に優しく、移住者の方々もその温かさを感じています。妻も地元でカフェを始めましたが、田舎だからこそ家賃を抑えながらチャレンジできたのです。


長門には、やりたいことを実現し、挑戦できる環境がある。それが長門の最大の魅力だと思います。

生活の豊かさとつながる温かさ

長門は海も山もあり、温泉もあって、ご飯も美味しい。これらが自分の生活の基盤になっているので、本当に過ごしやすいです。それに、人もすごく優しいですね。外から移住して来た方々もみんな「優しい」と言いますし、僕自身もそう感じています。特に地元の人たちがいろいろと面倒を見てくれるので、仕事を続けられているのはそういった支えがあってこそです。

長門だから実現できた新たな挑戦

妻が喫茶店を始めました。もともと飲食の経験はなかったんですが、コンセプトは「子供に食べさせたいお母さんのおやつ」なんです。都会だと家賃が高かったり、工事するにも莫大なお金がかかったりして、なかなかチャレンジできません。でも、長門のような田舎だと家賃が抑えられるので、そういうチャレンジがしやすいんですよね。これは林業でも同じことです。

長門には、独立志向のある人にとって、チャンスがいっぱいあると思います。自分でチャンスを作り出す環境が整っているんです。「やりたい仕事を作れる」、「チャレンジできる」というのも、長門の大きな魅力だと思っています。

長門の自然環境と、地元の人々の温かい支援の中で、挑戦することができる街。地域に根ざした林業を営み、妻もカフェを起業し、長門での生活に深い満足感を持ちながら新たな挑戦を続けています。